うつ病への対処
うつ病患者の診断書を「心身症」や「心身疲労」などと、病状を軽く書く医師が9割もいるという。もちろん患者の意向によるものだ。
そんなことしていいの?と思われるだろうが、これには複雑な背景がある。
ある人が病院で「うつ病」と診断され、診断書にも「うつ病」と記載し約2週間の休養が必要と書いた。ところがその人が診断書を会社に提出したところ、解雇されてしまったという。
解雇とまではいかなくても、昇進が止まったり、会社に居づらくなったりするようだ。
会社にいける状態ではない患者を診察したある医師は、患者に頼まれ、「うつ病」を「インフルエンザ」と書き換えて渡し、会社を休ませた。その医師は「診断書偽造だが患者を守るため仕方がない。やりきれない思いだった」という。
果たしてこのような書き換えは行ってよいものだろうか?
厚生労働省(医事課)は「患者を騙して事実と全く異なることを書くのではなければ、診断書の偽造とはいえない」との見解し示している。しかしある人は「あいまいな表現が広がれば、病気に対する職場の理解が進まず、適した仕事量を話し合うことも難しくなる」とも言っている。
このような状態に、国も労働安全衛生法の改正へ動いている。
1ヶ月の残業が100時間を越えた従業員が申し出れば、企業に医師の面接指導を義務付けるもので、2006年4月に施行を目指す。 (朝日新聞の記事要約)
現在の企業の有り方が問題なのではないかと思う。アメリカ的な経営により、「成果を出せない従業員や、自己管理できない従業員はいらない」という考えが広まりつつある。そのことが逆にプレッシャーとなり色々なストレスから「うつ病」になる人もいるだろう。
確かに仕事というものは厳しいもので、この考えは甘いのかもしれない。しかし、会社側も休職制度を見直したりして一定の理解を示すべきだと思う。
また、労働衛生安全法の改正案で「100時間の残業」という基準にも少々疑問がある。サービス残業などで把握できない時間もあるだろうし、そもそも心の病というものは、残業時間だけでなるわけではなく、その他の色々な要素が組合わさって起きることも少なくないはずだ。更に、自己申告制だそうだが、有給休暇もろくに申請できない状況にある従業員が、果たして申請できるのだろうか。疑問が残る。
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コメント
日本の企業(特に大企業の下請け)って、休む事が悪い事、働く事が良い事みたいな考え方がまだまだあって、有給が有っても取りにくいという変な現状ですね。どんな理由だっていいじゃないの!それなのに、法事や不幸なことならすんなりとOK出すみたいなのって、どうかと思う。うつ病と出したら解雇だなんてひどすぎる!
このうつ病の原因が会社にあるかもしれないのに。。。
自殺者が年々増えていますね、あまりNEWSでは取り上げられないけれど。みんなが笑顔で働ける、休みも自由に取れるそんな会社や社会が出来ないとこの国破綻するよ、今に!
投稿: こばゆ | 2005.05.19 06:57
仕事で鬱になりそうな事は無いですね。
なんでかって?
「責任放棄」これ最強!!(マテ
こんな自分にも、一度だけ鬱になってたときあります。
情けない話、女と別れた後の3ヶ月後~半年間くらいっすね。
全てマイナス思考で、居なくなりたいような気分になってしまうんですよ。
それだけ好きだったんでしょうねぇ。
復帰できたきっかけは・・・。
なんだろ、「考えたってしょうがない」って思えるようになってからかな。
真性のうつ病ではなかったのかも知れないけど、立ち直れたのは自分にとってすごいプラスになる経験でした。
物事全てに対する考え方も変わったしねw
ポジティブにいこうぜ!道はひとつじゃない!!
投稿: 織田 | 2005.05.19 12:24
>こばゆ様
有給休暇の他、しなくてもいい残業を、上司が帰らないためしょうーがなくやってたりと何か変ですよね。
あの後、ブログで探してみたのですが、実際にうつ病の人の体験日記とかあり、やはり職場復帰が難しいようです。会社の理解が足りないと言う意見が大半でした。ちらほらと「死」という文字が出てきたり・・・非常に切実な問題です。
>織田様
「責任放棄」いいですねぇー
サラリーマンはー気楽な家業とーきたもーんだ♪
↑そんな人ばっかりだったら、こんな問題は起きないんですけどねぇー。ちょっと無理があるか^^;
うつ病になる人は真面目で責任感が強い人がなりやすいようです。おいらも気をつけないと・・・^^;
投稿: 結 | 2005.05.19 23:33
先日はコメントありがとうございます。記事を見に来ました。私自身も最初はうつ病が職場にばれるのに抵抗があり「自立神経失調症」と診断書に書いてもらいました。しかし、いろいろと考えた挙句、やはり本当の病名を知ってもらい、職場としての対応をきちんととってもらうほうが良いと考え、うつ病と公表しました。カミングアウト、なんてマイナス的な表現じゃなくて。
ただ、最近、復職にあたっての面談に職場を訪れましたが、気分が落ち込んでただけ、というような解釈しか上司はしてくれてないようです。なかなか分かってもらうには難しい病気です。
投稿: satochan | 2005.05.20 15:23
はじめましてです。
精神保健福祉に従事している
がちゃぴん。と申します。
検索して辿り着きました☆
あつかましくも、
「うつ病の診断書、「表現弱める」医師9割 復職に配慮」
というニュースに関する記事をトラバさせていただきました!
どうぞよろしくお願いいたします。
投稿: がちゃぴん。 | 2005.05.20 21:24
>satochan様
来てくださってありがとうございます。
外傷とは違い、目に見えない「心の病」は、なった事が無い人には分からないのだと思います。そういうおいらもなった事がないので、偉そうな事はいえませんが・・・^^;
>がちゃぴん。様
TBありがとうございます。「あつかましい」なんてとんでもないです。こんなサイトにTBして頂いて、そちら様のサイトの品位が下がらないかと心配してしまいました(笑
投稿: 結 | 2005.05.20 23:39
初めまして。トラックバックで来ました。
確かに最近の企業の体制は問題ありますよね。
成果主義が持てはやされていますが、日本のそれは外国で取り入れられている本物ではなく、単に口減らし的な手法として小手先的に導入されてるだけだ、とかいうコラムなんかもありますね。
確かにそう思えてならない事柄は多い気がします。
早急な結果ばかりを追求され、寝る間も惜しんで、どやされ…。
それじゃ病気になって然り、という気がします。
社員を育てようという気概が無いんでしょうね。
使い捨て的な。
うちの夫の会社もそうです。
名前聞けば大概知ってる、という大手ですが、同じような差別ありますよ。
一度病んでしまうと昇給は無理になるそうです。当分。
しかも、部署によっては精神を病む人自殺する人多数、という所もあります。世間的にはもみ消されてるんでしょうけど。
えげつないですよ。ほんとに。
投稿: らら | 2005.05.26 11:47
いらっしゃいませ らら様
大企業ほどそういう傾向にあるのではないかと思います。JRもそんな感じだから、あんな大変な事故が起きたんだと思います。末端まで目が届かないですもんね・・・
人間偉くなると良い事ないですよ(なれないおいらの僻みです)
投稿: 結 | 2005.05.26 20:31